Cloudflare PagesとWordPressの違い|中小・個人事業主向け比較
公開:2026年5月6日
「ホームページを作りたい」と相談すると、これまでは「WordPress(ワードプレス)で作りましょう」と提案されるのが定番でした。
しかし2026年の今、新しい選択肢が登場しています。**Cloudflare Pages(クラウドフレア・ページズ)**です。
「Cloudflare Pagesって何?」 「WordPressと何が違うの?」 「うちの会社にはどっちがいいの?」
この記事では、Cloudflare PagesとWordPressの違いを、専門用語をできるだけかみ砕いて、中小企業・個人事業主の方向けに解説します。
🔰 この記事に出てくる専門用語(先に覚えなくてOK・本文中で都度説明します)
- WordPress(ワードプレス):世界中のホームページの約4割が使っている、ホームページ作成の仕組み
- Cloudflare Pages(クラウドフレア・ページズ):表示が速くて安全なホームページを公開できる新しいサービス
- 静的サイト:あらかじめ作ったページをそのまま見せる仕組み(チラシのように完成形を渡すイメージ)
- 動的サイト:訪問者が来るたびにページをその場で組み立てる仕組み(注文が入ってから料理を作る飲食店のイメージ)
- CDN(シーディーエヌ):世界中の配信拠点からホームページを届ける仕組み(最寄りのコンビニから商品が届くイメージ)
- SSL/HTTPS:通信を暗号化して安全にする仕組み(封筒に鍵をかけて手紙を送るイメージ)
- プラグイン:WordPressに機能を追加する拡張パーツ(スマホのアプリのようなもの)
- データベース:記事や会員情報をしまっておく倉庫
- Markdown(マークダウン):簡単な記号で文章を書ける形式(メモ帳に近い感覚)
- デプロイ:作ったホームページをインターネットに公開する作業
1. 結論:3つの軸で大きな違いがある
まず結論からお伝えします。Cloudflare PagesとWordPressの違いを、3つの軸でまとめると以下のようになります。
| 比較軸 | Cloudflare Pages | WordPress |
|---|---|---|
| 表示速度 | 非常に速い | やや遅い〜普通 |
| セキュリティ | 高い | 注意が必要 |
| 月額コスト | 0円〜(無料枠あり) | 月数百円〜数万円 |
| 自分で更新 | 専門知識が必要 | 管理画面から可能 |
| 動的機能 | 限定的 | 豊富 |
| 制作時の選択肢 | まだ少ない | 業者多数 |
要するに、**それぞれに得意・不得意があり、「どちらが優れているか」ではなく「目的に合うか」**が重要です。
家を建てるときに「木造と鉄筋、どちらが優れているか」と聞かれても答えが出ないのと同じで、用途によって正解が変わります。
2. そもそも「ホームページの仕組み」を理解する
Cloudflare PagesとWordPressの違いを理解するには、まずホームページの2種類の仕組みを知る必要があります。
初心者の方へ:ここは少し技術寄りの話になります。難しければ「3. WordPressの強みと弱み」まで飛ばしてOKです。
動的サイト(WordPressなど)
動的サイトとは、訪問者がページを開くたびにサーバー(ホームページを置いている貸し倉庫のようなコンピュータ)が、その場でページを組み立てて送る仕組みです。
言い換えると、注文が入ってから料理を作る飲食店のようなイメージです。
メリット:
- ブログ記事やお知らせを簡単に追加できる
- 予約システム・会員制機能などの動的機能を実装できる
- 管理画面から、専門家でなくても更新できる
デメリット:
- ページを組み立てる時間がかかる(表示が遅くなりやすい)
- データベース(情報を保管する倉庫)への不正アクセスリスクがある
- サーバーの維持費がかかる
静的サイト(Cloudflare Pagesなど)
静的サイトとは、あらかじめ作っておいたページを、そのまま訪問者に渡す仕組みです。
つまり、できあがったお弁当を棚から渡すコンビニのようなイメージです。組み立て時間がいらないので、とにかく速い。
メリット:
- 表示が圧倒的に速い
- データベースがないため、不正アクセスのリスクがほぼない
- サーバー維持費がほとんどかからない
デメリット:
- ページを更新するときに技術的な作業が必要
- 動的な機能(予約・会員制など)が限定的
- 管理画面から記事を投稿できない(標準では)
3. WordPressの強みと弱み
WordPressの強み
①世界中で使われている安心感
世界中のホームページの約4割がWordPressで作られていると言われています。利用者数で圧倒的な実績があります。
②管理画面から自分で更新できる
記事の投稿、画像の差し替え、デザインの変更など、専門知識がなくても管理画面から操作できます。
③プラグインで機能拡張できる
**プラグイン(機能を追加する拡張パーツ・スマホのアプリに近い感覚)**で、予約システム・ECサイト・会員制サイト・SEO対策など多様な機能を後から足せます。
SEOとは? 検索エンジン最適化の略です。Googleで検索されたときに、自社サイトが上位に表示されるように整える工夫のことを指します。
④制作できる業者が多い
WordPressに対応している制作会社・フリーランスが大量にいるため、依頼先選びの選択肢が豊富です。
WordPressの弱み
①表示速度が遅くなりがち
プラグインを増やすほど、表示速度が遅くなる傾向があります。特にスマホでの表示で5秒以上かかるケースもあります。
②セキュリティ管理が大変
プラグインの弱点、デザインテーマの弱点、WordPress本体の弱点を、定期的なアップデートで塞ぎ続ける必要があります。車のオイル交換のように、放置すると故障するイメージです。
③維持コストがかかる
サーバー代(月数百円〜数千円)、保守料金(月1万円以上のケースも多い)が継続的に発生します。
④管理者の知識が必要
管理画面から更新できるとはいえ、トラブルが起きたときの対処や、プラグインの選び方には一定の知識が求められます。
4. Cloudflare Pagesとは何か
提供元
Cloudflare社が提供する、静的サイト向けのホスティングサービスです。
ホスティングとは? 作ったホームページをインターネット上に置いて、世界中から見られる状態にしてくれるサービスのことです。土地を借りて家を建てるイメージに近いです。
Cloudflareは世界最大級のネットワーク企業で、世界中の数百万のサイトでセキュリティ・配信を担っています。
特徴
①世界330以上の拠点から配信
訪問者から最も近い拠点からホームページを届けるため、表示速度が極めて速くなります。
これが**CDN(シーディーエヌ)**と呼ばれる仕組みです。
CDNとは? 世界中に配信拠点を置いておき、訪問者の最寄り拠点からデータを届ける仕組みです。日本から東京の店舗を見るより、近所のコンビニから商品が届くほうが速いのと同じ発想です。
②無料枠でかなりのことができる
個人事業主・中小企業のサイト程度であれば、無料枠で十分運用できる規模です。
③SSL証明書が無料で自動設定
**HTTPS化(通信の暗号化)**が自動で設定され、追加料金なしで使えます。
SSL/HTTPSとは? ブラウザとサイトの通信を暗号化して、第三者に盗み見られないようにする仕組みです。封筒に鍵をかけて手紙を送るイメージです。URLが「https://」で始まっていれば暗号化されています。
④高速デプロイ
**GitHub(ソースコードを保管・共有するサービス)**と連携することで、文章を更新するだけで自動的にサイトが書き換わります。
デプロイとは? 作ったホームページをインターネットに公開する作業のことです。「デプロイ=公開ボタンを押すこと」と捉えてもらえれば十分です。
Cloudflare Pagesの弱み
①管理画面がない
記事の投稿は、WordPressのような管理画面ではなく、Markdownファイルを編集する形式が一般的です。
Markdownとは? 簡単な記号(# や * など)で見出しや太字を書ける、メモ帳に近い文章形式です。慣れると速いですが、最初はとっつきにくく感じる方もいます。
専門家でない方には扱いにくい面があります。
②動的機能が限定的
予約システムや会員制サイトのような動的な機能は、別途追加で作り込みが必要です。
③制作できる業者がまだ少ない
WordPressと比べて、Cloudflare Pagesで制作している業者はまだ少数です。
5. 具体的な比較:5つの観点で
①表示速度
WordPressの場合:
- 平均的な表示速度:2〜5秒
- プラグインが多いと10秒以上になることも
Cloudflare Pagesの場合:
- 平均的な表示速度:0.5〜2秒
- 世界中のCDN拠点から届くため安定している
表示速度はSEO(検索順位)にも影響するため、ビジネス的にも重要です。表示が3秒を超えると、訪問者の離脱率が大幅に上がるというデータもあります(出典:Google PageSpeed Insights公開資料等)。
つまり、ページが遅いだけで、せっかくの来訪者の半分近くが帰ってしまうということです。
②セキュリティ
WordPressの場合:
- プラグインの弱点を狙った攻撃のリスクが常にある
- 管理画面への不正ログイン攻撃が多い
- 定期的なアップデートが必須
Cloudflare Pagesの場合:
- 管理画面がないため、不正ログインリスクがほぼゼロ
- データベースもないため、SQLインジェクションのような攻撃の対象にならない
- DDoS攻撃への対策が標準で組み込まれている
SQLインジェクションとは? データベースに不正な命令を送り込んで、情報を盗んだり書き換えたりする攻撃です。データベースがそもそも無ければ、この攻撃は成立しません。
DDoS攻撃とは? 大量のアクセスを一気に送りつけて、サイトを止めてしまう攻撃です。お店の入り口に大勢の人が押し寄せて、本当のお客さんが入れなくなるイメージです。
③コスト(運用費用)
WordPressの場合(年間):
- サーバー代:5,000〜30,000円
- ドメイン代:1,500〜4,000円
- 保守料金(業者依頼):60,000〜360,000円
- 年間合計:6.5万〜40万円程度
Cloudflare Pagesの場合(年間):
- Cloudflare Pages:0円(無料枠)
- ドメイン代:1,500〜4,000円
- 保守料金(業者依頼の場合):プラン次第
- 年間合計:1,500〜4,000円程度(保守料金別)
維持コストの差は、5年で見ると数十万円になります。WordPressの保守費用の詳細についてはWordPressサイトの保守料月1万円、本当に必要か?で詳しく解説しています。
④更新のしやすさ
WordPressの場合:
- 管理画面から記事を投稿できる
- 画像の差し替えも管理画面で完結
- プラグインの管理は自分で必要
Cloudflare Pagesの場合:
- Markdownファイルを編集する形式
- 業者に依頼するのが一般的
「自分で頻繁に更新したい」場合はWordPressが有利です。「更新は依頼で十分」という方はCloudflare Pagesでも問題ありません。
⑤動的機能
WordPressの場合:
- 予約システム・ECサイト・会員制機能などをプラグインで追加できる
Cloudflare Pagesの場合:
- 単純なお問い合わせフォームは作れる
- 予約システムなどは、外部サービスと連携する必要あり
- 動的機能を求めるなら不向き
6. どちらを選ぶべきか:5つの判断軸
軸1:自分でどれだけ更新したいか
- 頻繁に更新する:WordPress
- 基本的に更新は依頼で十分:Cloudflare Pages
軸2:求める機能の複雑さ
- 予約・EC・会員制が必要:WordPress
- 基本的な情報サイトで十分:Cloudflare Pages
軸3:表示速度とSEOの重要度
- 表示速度をとにかく重視:Cloudflare Pages
軸4:セキュリティリスクの許容度
- セキュリティ事故をできる限り避けたい:Cloudflare Pages
- アップデート対応をきちんとできる:WordPress
軸5:コストへの感度
- 維持費を最小化したい:Cloudflare Pages
7. どんな業種に向いているか
Cloudflare Pages向き
- フリーランス(コーチ・ライター・コンサル等)
- 名刺代わりのコーポレートサイト
- 採用サイト(情報更新が頻繁でない)
- ポートフォリオサイト
- ブランディング重視のサイト
フリーランスの方がホームページを持つメリットについてはフリーランスがホームページを持つべき5つの理由もご参考ください。
WordPress向き
- 頻繁にブログを更新するメディアサイト
- 予約システムを必要とするサロン・クリニック
- 会員制機能のあるコミュニティサイト
- ECサイト
8. まとめ:選択肢を知ることが大切
これまで「ホームページ = WordPress」という選択肢しかなかった方には、Cloudflare Pagesという新しい選択肢を知っていただくことに意味があります。
| こんな方には | 推奨 |
|---|---|
| 自分で頻繁に更新したい | WordPress |
| 名刺代わりのシンプルなサイトで良い | Cloudflare Pages |
| セキュリティ・速度を重視したい | Cloudflare Pages |
| 予約・EC・会員制が必要 | WordPress |
| 維持コストを抑えたい | Cloudflare Pages |
| 制作業者の選択肢の多さを重視 | WordPress |
「目的に合わせて選ぶ」という当たり前の話ですが、これまで選択肢を知らなかった方には新鮮な情報のはずです。
✏️ ポイントまとめ
- WordPressは「動的サイト」、Cloudflare Pagesは「静的サイト」という、そもそもの仕組みが違う
- 表示速度・セキュリティ・コストはCloudflare Pagesが有利
- 自分で頻繁に更新したい・予約や会員制が必要ならWordPress
- 名刺代わり・ブランディング重視ならCloudflare Pages
- 大事なのは「どちらが優れているか」ではなく「自社の目的に合うか」
basisについて
basisは、Cloudflare Pages を採用したフリーランス向けホームページ制作サービスです。
「Cloudflare Pages、興味あるけど自分では難しそう」という方の代わりに、設計・制作・運用代行をワンストップで提供します。制作の流れやプランの詳細もあわせてご確認ください。気になることがあればよくある質問もどうぞ。